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重衡(しげひら)は、平家物語における平重衡の南都焼討に取材した能楽作品。大仏を含む東大寺興福寺の伽藍を焼いて仏徒を殺戮した自らの罪の深さにおののき、仏敵に堕ちた身でありながら仏の救いを求める重衡の苦悩と業を描いた修羅能。成立は室町時代、観世元雅作と伝えられている。成立後、500年以上も演じられなかった時代があったが、1983年(昭和58年)浅見真州により復曲された。 == あらすじ == 春。奈良の都を見下ろす奈良阪。諸国一見の旅僧が京見物したあと、大和も見物しようと奈良街道を南下して奈良阪に至る。そこへ里の老人が来合わせ、名所の案内を頼む。老人はそれに応じ、眼下に見える寺社を教える。旅僧が立ち去ろうとすると、老人は僧に重衡の回向を頼み、傍らの桜のもとに建つ笠卒塔婆の向こうへ消えていく。 夜、重衡の弔いを引き受けた旅僧の前に、武者姿の重衡の霊が迷い出る。旅僧は、あなたが重衡の霊であるなら罪滅ぼしに過去を語られよと頼む。重衡は一の谷の合戦で生け捕りにされ鎌倉の頼朝のもとで捕虜となった事、興福寺僧兵の強い要求により鎌倉から引き渡され、木津川畔で斬首されることになった経緯を語る。木津川に着き、さあ斬られようというとき、見物人のなかから重衡に長く仕えた知時という従者が、かつての主の最期を見送ろうと人垣をかき分け重衡の前に進み出た。重衡は昔馴染みの訪いに喜び、出来る事なら最期に仏を拝みたいと頼んだ所、知時は懐中から弥陀仏を取り出して直垂の袖の括り紐を解き、一端を仏の手にかけ、もう一端を重衡の手にかけて念仏を唱えた。地謡が重衡が妄執を助け給へやと謡い、重衡の苦悩が仏法に救われるかと思われたそのとき、重衡の霊が矢庭に嗔恚の起るぞやと立ち上がる。重衡の霊に促され旅僧が眼下を見やると東の空に灯火が見える。あれは他国の戦の折に軍兵が夜な夜な灯した篝火だと言うと重衡は刀をとり、再び修羅道へと堕ちていく。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「重衡 (能)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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